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横井小楠殉節の碑を建てた「京都市教育会」とは?

京都、寺町通りにある横井小楠殉節の碑は 昭和7年京都市教育会 と刻まれている。

京都市教育会 もう存在しないのだそうだ。所有者不在の碑だから清掃できた。。

京都市教育会とは何か? 中村武生著『京都の江戸時代をあるく』に詳細があった。

「幕末史跡の謎」というテーマで9話書かれている。

 

同会は1902年創立。市の部署ではなく外郭団体。大正天皇即位の礼を記念して「志士義人等の古跡」に標石を立てることとした。1915年から建碑開始。この教育會以外にも建碑が行われる。今は中村氏がNPO法人京都歴史地理同考会を立ち上げ建碑している。

NPO法人京都歴史地理同考会 - rekishichiridokokai ページ!

横井小楠の碑がなければ、私にはおしゃれな寺町通りでしかなかった。が今は明治2年1月5日に暗殺された小楠の影が見える。小楠の目指した「開国」と「公共」とはなんであったのか?

 

ところでこの「教育會」実は明治政府の教育政策上非常に重要な組織なのだ。論文がかなりある。教育の自治や自由を尊ぶ当時の指導者の思いがあった。

これは後日、追記したい。

 

梶山雅史 編著 「近代日本教育会史研究」 2019年5月刊

中央・地方教育会の具体的活動内容とその歴史的役割を鮮明に浮かび上がらせた重要文献を復刊!
明治10 年代、全国各地に登場した教育会は、日本教育史上全く新たな組織・システムを作り上げた。強力な教育情報回路を形成し、多様な行事・事業を繰り広げ、時事案件の処理に当たり、戦前の教員・教育関係者の価値観と行動様式を水路づけ、さらに地域住民の教育意識形成に深く関わった。
教育会の本格的研究である本書は、日本教育会史像の点検と再構築を提起する。
 
明治10年代に全国各地に登場した教育会は、府県・郡区町村それぞれのレベルにおいて固有の成立経緯・組織形態をもちながら、各地域の教育事業振興に極めて大きな作用を及ぼし、また当時の教育関係者や地域住民の価値観や教育意識形成に深い関わりをもっていた。本書は、日本教育史上、新たな組織として登場した中央・地方教育会の設立から衰退に至る経緯、その実態・機能・歴史的役割に関する包括的な研究を通じて、改めて教育会史像の点検と再構築を提起する!
 
梶山雅史 編著 「近・現代日本教育会史研究」2018年3月

「教育会」は明治期から戦後初期まで存在した「私立」の組織で、校長をはじめとした学校関係者や地方名望家などから構成されていた。教員研修・教員養成機能並びに教育政策・教育行政への翼賛機能を高度に発揮し、第二の教育行政機構の役割を果たすに至った。

同編著者による教育会論文集は『近代日本教育会史研究』『続・近代日本教育会史研究』(共に学術出版会)に続く3冊目となり、本書の大きな特徴は、教育会が解散する戦後期の研究成果を収録した点にある。

計13名の研究者による、教育会史研究の最前線を知ることができる重要文献である。


近代日本教育会史研究