インド太平洋研究会 Indo-Pacific Studies

現代版IPR インド太平洋研究会へようこそ

ドイツのインド太平洋政策

f:id:yashinominews:20200928114543j:plain

2020年9月1日、王毅外相を迎えたドイツは、中国の一帯一路構想を逆なでするかのように、インド太平洋政策を打ち出した。政策だけではない。台湾公式訪問をしたチェコに対する王毅外相の強硬な姿勢にマース外相は「脅しはふさわしくない」と諌めた。

太平洋を歩いていれば、至る所にドイツを感じる。パプアニューギニアビスマルク諸島、ビルヘルム山。ミクロネシアにはハイネ、フリッツなどのドイツの名字を持つ人々がいる。そして何よりも日本の南洋統治は、ドイツの植民を受け継いだものであるのだ。

 ドイツのインド太平洋政策の英文が出た。早速拝読。ここにメモしていきたい。

まずはマース外相の挨拶文である。

https://www.auswaertiges-amt.de/blob/2380514/f9784f7e3b3fa1bd7c5446d274a4169e/200901-indo-pazifik-leitlinien--1--data.pdf

https://www.auswaertiges-amt.de/blob/2380514/f9784f7e3b3fa1bd7c5446d274a4169e/200901-indo-pazifik-leitlinien--1--data.pdf

 

気になった箇所だけ書き出してみる。

 インド太平洋は重要である。ドイツは傍観者ではいけない。積極的に関与せよ。

Germany must not content itself with remaining on the sidelines, as a mere observer
of these dynamic developments.

 

発展しつづけるインド太平洋地域に空白の慣習・規範がある。そして欧州とアセアンの地域枠組みを取り上げています。

While the Indo-Paci c region is undergoing a dynamic development, it is a fairly blank spot in institutional and normative terms.

 

ドイツは欧州連合の政策としてインド太平洋に関与したいのだ。

These guidelines can and should contribute to a future EU strategy on the Indo-Pacfic.

 

最後に、この政策が政治、学問などのテーブルでの議論に刺激を与えることを希望する。

My hope is that they will stimulate discussion in the political arena, society and academia and give rise to an intensive exchange with our partners in the region.

 

本文は1概要、2政策、3ドイツのインド太平洋におけるネットワーク、と3つに分かれている。一つずつまとめていきたい。