2020年9月1日、王毅外相を迎えたドイツは、中国の一帯一路構想を逆なでするかのように、インド太平洋政策を打ち出した。政策だけではない。台湾公式訪問をしたチェコに対する王毅外相の強硬な姿勢にマース外相は「脅しはふさわしくない」と諌めた。
太平洋を歩いていれば、至る所にドイツを感じる。パプアニューギニアのビスマルク諸島、ビルヘルム山。ミクロネシアにはハイネ、フリッツなどのドイツの名字を持つ人々がいる。そして何よりも日本の南洋統治は、ドイツの植民を受け継いだものであるのだ。
ドイツのインド太平洋政策の英文が出た。早速拝読。ここにメモしていきたい。
まずはマース外相の挨拶文である。
気になった箇所だけ書き出してみる。
インド太平洋は重要である。ドイツは傍観者ではいけない。積極的に関与せよ。
Germany must not content itself with remaining on the sidelines, as a mere observer
of these dynamic developments.
発展しつづけるインド太平洋地域に空白の慣習・規範がある。そして欧州とアセアンの地域枠組みを取り上げています。
While the Indo-Paci c region is undergoing a dynamic development, it is a fairly blank spot in institutional and normative terms.
ドイツは欧州連合の政策としてインド太平洋に関与したいのだ。
These guidelines can and should contribute to a future EU strategy on the Indo-Pacfic.
最後に、この政策が政治、学問などのテーブルでの議論に刺激を与えることを希望する。
My hope is that they will stimulate discussion in the political arena, society and academia and give rise to an intensive exchange with our partners in the region.
本文は1概要、2政策、3ドイツのインド太平洋におけるネットワーク、と3つに分かれている。一つずつまとめていきたい。