インド太平洋研究会 Indo-Pacific Studies

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安倍政権のインド太平洋構想(1)平間洋一教授との出会い

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私は安倍政権のインド太平洋構想に深く関わることになった。このインド太平洋研究会自体がその流れの一環である。

安倍総理の突然の辞任は多くの人にとってショックであったと思うが、私の仕事(ambition)を支えて来てくれたのも安倍政権であったので、辞任発表から約1月、色々な思い出が駆け巡った。私が安倍政権のインド太平洋構想に深く関わることになった詳細を書かせていただいた『インド太平洋開拓史』が辞任の時期に出せたことは感慨深い。

無名の私に出版の機会をくださった明成社さんは「ブックレットであれば売りやすいから出しましょう。」と提案いただいたのだが、書き出すと山ほど情報があって、各章6千字という条件がなかなか守れない。

そんな中でこの3月に亡くなられた平間洋一教授への私の感謝を少しでも表せればと、第3章の「日本が開拓した太平洋の海」に平間教授のご研究を紹介させていただいた。平間教授の博士論文である第一次世界大戦をめぐる日英豪の外務・防衛の情報錯誤は伝えきれなかった思いもあるが、少なくとも日本の参戦は京都大学の奈良岡教授が主張するような「火事場泥棒」ではないことを伝えられたと思う。

なお奈良岡教授からは当方の人格批判を含む抗議文をいただいており公表で議論したいと返したが返事がない。京都大学にも連絡したが回答はない。学問をするものとしての矜持は示してほしい。

 

さて、平間教授と私の出会いはまさに安倍政権のインド太平洋構想のためにあった、と言っても過言でない。

2014年の初旬、私はキャンベラに向かう太平洋上空で平間教授の本を読んだ。キャンベラでは親日アボット政権の豪州外務省の担当者が十人位で待っていていた。メインの議題は私が2008年に立ち上げたミクロネシア海洋安全保障事業だったが、先方から

安倍総理の豪州訪問、何か良いアイデアはない?」

と聞かれ、

「今年は日豪海洋協力100周年ですよ。」

と返したところ、全員が椅子から転げ落ちるほど驚かれたのだ。幸い平間教授は英文でウェブにも日本がいかに第一次世界大戦に参戦し、豪州、NZだけでなく太平洋、インド洋を守ったかを書かれており、それを豪州外務省に示すことができた。

同年7月の安倍総理豪州訪問は西オーストラリア州までも足を伸ばし日豪関係を一気に前進させた。それだけでなく、強いアンチジャパンのANZACという豪NZ防衛協力枠組みがあるが、その100周年記念に海上自衛隊の「きりさめ」が参加することになったのである。

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アンザック100周年の記念式典に参加した護衛艦 きりさめ

 

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アンザック100周年の記念式典 アルバニーでのパレード。 日本軍がインド太平洋を守った歴史はあまり知られていない。

 

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西オーストラリア州知事ご夫妻と

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私はこのことをお会いしたこともない平間教授にお伝えしたく、連絡先を探した。そしてメールをしたが、きっと頭のおかしいおばさんからのメールと無視されるかもと思っていたところ丁寧なお返事がいただけ、おつきあいが始まったのである。なぜ無視されると思ったのか?平間教授の本を読み、豪州政府に説明し、安倍総理の豪州訪問を成功に導きました、って突然言われたら、私でもひく。

平間先生は信じられないような「紳士」なのである。私の自衛隊への印象が120度変わった。そして女性蔑視が一切ないどころか

「早川さん、がんばりなさい。英語でどんどん書きなさい。博士は大変だけど完成させなさい。私の研究を継いでほしい。」

とこの世の中のおじさんとは180度反対のポジティブなアドバイスしかくれないのだ!私は平間先生にどれほど励まされたことか。

インド太平洋研究会を立ち上げる時も二つ返事でアドバイザーを引き受けてくださった。その後体調を崩され、入院され、研究会でご講演いただくことは叶わなかった。