インド太平洋研究会 Indo-Pacific Studies

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ドイツのインド太平洋政策(2)サマリー

サマリーが長く全文章の3分の1ほど。interests, principle, initiativesに分かれている。

サマリー前文ではインド太平洋の経済的、人的発展の重要性と、ドイツが国際秩序と規則を重視し、EUに貢献することが書かれている。

https://www.auswaertiges-amt.de/blob/2380514/f9784f7e3b3fa1bd7c5446d274a4169e/200901-indo-pazifik-leitlinien--1--data.pdf

https://www.auswaertiges-amt.de/blob/2380514/f9784f7e3b3fa1bd7c5446d274a4169e/200901-indo-pazifik-leitlinien--1--data.pdf

 

<interests>

8つの利益、がリストアップされている。

1 平和と安全の促進;中国、インド、パキスタンが核保有国であることが書かれている。

2 国際関係の進化と多様化:政治経済以外に文化、教育、科学の分野での協力を強化も。

3 覇権主義、二極主義の否定:冷戦時代を繰り返すな

4 航海の自由の確保:世界の90%の海運がインド太平洋にあり、欧州の経済を支える。

5 開かれた市場と自由貿易:ドイツの20%の貿易が南アジア、東南アジア、東アジア、豪州、NZにあり上昇している。

6 デジタルコネクティビティ:インド太平洋は大きな市場でありパートナー。リスク回避が重要

7 地球を守れ:不規則な欧州への移民を避けるためにも生態系維持は重要

8 事実に基づく情報を:ソーシャルメディアがインド太平洋では効果的な外交手段である。

 

<principle>

1 EUとして行動すること

2 多国間主義:気候・環境保護、貿易、軍縮、軍備管理、核不拡散、人権保護など多国間協定を尊重

3 規則遵守:国連海洋法条約に沿った航行の自由。パンデミックへの対応(ここは対中意識か)

4 国連の開発目標を遵守。パリ協定、生物多様性条約などインド太平洋にも関連する

5 人権尊重 ドイツはインド太平洋の文化、歴史を尊重する。

6 包摂性:アセアン安全保障の枠組みを尊重、封じ込め分離作戦は反対

7 平等な関係でのパートナーシップ:G20のような多国間協力枠組みを目指す。

 

<initiatives >(ここはさらに情報量が多くまとめきれない。無理して整理しているので是非本文を確認してください。)

1 多国間主義の強化
∙ 戦略的にアセアンとの関わりを強化する。
∙ インド・太平洋地域の更なる地域機関との協力を強化する。太平洋諸島フォーラム(PIF)・メコン川委員会(MRC)・アジア欧州会議(ASEM)・ベンガル湾多分野技術・経済協力イニシアティブ(BIMSTEC)・環インド洋協会(IORA)
安保理改革をインドや日本と協力。
∙ 仏独のイニシアティブを印パ地域で推進。

2 気候変動と環境保護
∙ グリーン水素について、豪州と協力。
∙ インドとフランスが主導する国際ソーラーアライアンスに参加。
アジア諸国による石炭火力発電の段階的な廃止と、石炭火力発電所の借地権の廃止。
∙ 緑の気候基金を累積で22.5億ユーロで支援し、最大のドナー。
∙ 特に太平洋島嶼国と気候変動の安全保障の側面を国連の活動に体系的に統合するために協力。

3  安全保障強化 

∙ インド・太平洋地域での海賊対策。
南シナ海における中国とASEAN加盟国との間の実質的かつ法的拘束力のある行動規範を支援。
ASEANの安全保障協力形態を支援。
シンガポール、オーストラリア、日本、韓国とのサイバー・セキュリティ協力と対話を拡大。
∙ 暴力的過激主義と闘うため市民社会と協力を。
∙ インド・太平洋地域において、武器貿易条約(ATT)のさらなる普遍化

4 人権と法の支配
∙インド・太平洋地域の意見の多様性に関するジャーナリスト育成
∙ ビジネスと人権の分野での支援ネットワーク。
シンガポールに地域ドイツ情報センターを設立する。
5 公正で持続可能な自由貿易
EUとそれぞれのインド・太平洋諸国、特にニュージーランド、オーストラリア、インドネシアASEAN自由貿易協定を締結。
∙ 中国との投資協定に関するEUの交渉を支持する。
∙ インド・太平洋地域におけるドイツ企業の進出を支援。
∙ 海外のドイツ商工会議所のネットワークをサポートします。
∙ インド・太平洋地域における職業訓練協力を拡大する。
6 経済のデジタル化
∙ インダストリアル4.0分野でのインド・太平洋諸国との協力。
∙ インド・太平洋地域のパートナー国と5Gをの先を協議。
∙ インド・太平洋諸国、特にシンガポール、豪州、韓国、日本と技術協力を促進。

7 文化、教育、科学
ニューデリーのインド・ドイツ科学技術センターをモデルにインド太平洋に拡大。
∙ ドイツの革新的な研究分野において、インド太平洋の価値観を共有するパートナーとの共同研究。
∙ ドイツの科学外交を促進。中国、ベトナムニューデリー、東京。
∙ ジャーナリストやメディア支援。
∙ インド・太平洋地域の国々との学術交流や文化保存の分野での取り組む。