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A Very British Tilt 英国のインド太平洋政策サマリー(8)優先分野の特別提言

https://policyexchange.org.uk/publication/a-very-british-tilt/

昨年11月、与党に近いシンクタンク、Policy Exchange が出したA Very British Tilt。少しずつ概要を日本語でまとめいます。

優先分野の4番目が「気候変動と環境保護」。国防の前の位置づけであることが気になります。

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英国は、環境政策において世界をリードしている。

気候変動と生態系の機能低下が自然災害などを引き起こし大量の移民その他多くの影響をもたらす。

 

英国は、インド太平洋地域のエネルギー、輸送、産業のための、よりクリーンで先進的なインフラの構築を支援することができ、中国ぼBRIに対抗です。環境政策には地政学的であり「一帯一路」構想のクリーンバージョンを作ることに意味が。

具体例としてイギリスとインドのグリーンファンドの設立。

以下3つの項目について詳細が述べられている。

<気候変動への対応>(クリーンカーボン)
<生態系の衰退を食い止める>
<気候変動への耐性を高める>

 

<気候変動への対応>

英国は気候変動委員会に国際的な商業部門を設けるべき。

 ー 外国の「カーボンバジェット」への政策提言

 ー グリーンエネルギー資産に民間投資。Ofgem(英国のエネルギー規制機関)専門知識の活用。

 ー 炭素回収・貯留、洋上風力発電、相互接続、水素製造などの開発をリードしておりインド太平洋諸国の英国のビジネスリーダーとともに推進すべき。

 ー FCDOは英国のクリーンテック企業の最新カタログを作成し、英国の海外援助が環境面での成果に費やされる際には必ず利用されるべき。

(ここまで読んでげんなり。いかに英国企業に儲けさせるかしか書かれていない)

 

<生態系の衰退を食い止める>

・英国はインド太平洋諸国と協力し、高リスク生態系を破壊するような行為を防ぐために、現地での監視、調査、検査の能力を構築すべき。

・英国は、海外援助と農業研究の世界的リーダーであり、これらの専門性をパンデミックの防止に生かすべきである。
・英国は地球観測能力を含む宇宙技術を開発するための国際同盟を主導すべき。投資家が遠隔地にある資産監視を行うことを支援するSpatial Finance Initiativeの推進。地球観測能力は、陸と海で使用されるべき。(投資しか頭にないのか。英国人は)

・英国は多国間の廃棄物管理・監視条約を作るべき。英国の「汚染者負担」の原則と、拡大生産者責任に関する取り組みに沿ったもの。(まずはダイニングテーブルをきれいにする習慣を身につけたらどうでしょう?)

 

<気候変動への耐性を高める>

・熱帯気候における景観管理ソリューションの理解を深めるための研究センターのネットワークを支援すべき。

・気候関連のストレスが増大している地域での災害救援にさらに力を入れるべき。恒久的な人道支援や災害救援の拠点を設置することを支援すべき。

(センターとか、拠点設置、すなわち金出す話ばかりでインド太平洋にある人材育成の視点が一切ないのが気になる。まずは英国がこの地域を学ぶことが必要なのでは?)