読み飛ばすつもりが鶴田先生の発表はある意味前の廣瀬名誉教授の講演をぶった切る内容にも取れる非常に興味深い、国際法の視点から議論した、読むべき議論である。青が当方のコメント。
最初から興味深い鶴田先生の問題意識だ。
「私が気になっているのは次のような理解です。ある事案・事態対処で「軍」が対応の主体となると国家間紛争という構図となり、事案・事態がますます悪化し、国対国の戦争になってしまう可能性がある。それゆえ、それとは異なる事案・事態対処の必要があり、まずは軍ではない「海上法執行機関」が「海上法執行活動」によって対応すべきである、というような理解です。とりわけ最近は海上保安庁に対して外部の方々からさまざまな期待が寄せられていますので、それとの関係で、そのような理解が示されることが多いように思います。大事なのは、このような海上保安庁の外部の方々の理解や具体的な動きを、海上保安庁の内部でどのように受け止めるか、ということだと思います。」
答えがすぐでる。海保・自衛隊という枠組ではなく具体的に何をしているか?である。その点で日本の海保はパラミリ、見ようによっては途上国、先進国でも小国の海軍より全然軍事的機能を持っているとの解釈もされる可能性があるであろう。ここら辺はボワっとした記憶しかないので、資料を探したい。
「私も海上保安大学校在職中に、軍か警察か、海軍か海上法執行機関かというような枠組 みで調査・検討をしたことがあります。しかし、いまはそのような枠組みはとりません。 その理由は二つです。まず、軍か警察か、海軍か海上法執行機関かという主体の国内法上 の「位置付け」には着目しません。いかなる点に着目するかというと、各主体の「活動」 です。」