インド太平洋研究会 Indo-Pacific Studies

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日本海軍、仏領ニューカレドニア へ

 

先の戦争でガダルカナル珊瑚礁海戦など太平洋で日本軍が大敗したのは、連合軍がバヌアツ共和国、サント島に軍事基地を設置した背景がある。その軍基地はパールハーバーに継ぐ軍事資材補給基地となり4万の部隊と50万人の人員が駐留していた。

バヌアツサイクロン被害支援<オンライン・バヌアツ講座>7 - インド太平洋研究会 Indo-Pacific Studies

そのバヌアツにとうとう日本海軍が入った。そして次は仏領ニューカレドニア で日仏共同演習が行われる。海上自衛隊、いや日本海軍のFBにレイ仏太平洋管区司令官との会議の様子が紹介。戦争中、このニューカレドニアには南太平洋のペンタゴンと呼ばれる連合軍本部が建てられた。戦争によって何もなかったヌーメアのインフラが整備され現在の首都になったのである。戦争中の4年間に100万人以上の米兵がここを拠点に太平洋に展開し日本軍と戦ったのだ。

そこに日本海軍がいよいよ展開する。この歴史的意味は誰も語っていないので、ここに書いておきたい。

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 SPCの旧事務局。以前は南太平洋のペンタゴン

このペンタゴンは戦後1947年、南太平洋委員会 South Pacific Comissionという地域組織になる。創立メンバー国は米英豪仏蘭NZである。South Pacific Comissionは現在違う場所に新しい建物を得て、そしてSouthを取ったPacific Communityの名前で運営されている。

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ここに日本海軍が入るのである。しかも潜水艦を巡ってアングロフォンとフランコフォンが雑音を立てている真っ最中にだ。30年間仏領を含む太平洋を見てきて思うのは、世界一大きな EEZを管轄するフランコフォンは日本の助けを必要としている、ということだ。EEZの70%は太平洋の仏領で形成されているのだ。

英国は豪州が足場になる。同じく地球の裏のフランスにとって足場を豪州、ニューカレドニア に得ることは、まだ時間がかかりそうだ。FRANZという仏豪NZの軍事協力枠組みもある。数百年の英仏の戦いの歴史はそんな簡単に払拭できるものではないのかもしれない。