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チーム安倍に伝えなかったオーストロネシア語族と台湾の関係

f:id:yashinominews:20210622144100p:plain前回の島サミットは、この地図にあるように数千年前の海洋民族、オーストロネシア語族の拡散を安倍総理のスピーチに入れることに成功した。

チーム安倍の兼原・谷口両氏はこの事をご存知なかった。インドムガール帝国のダーラー・ シーコー皇子が2つの海の交わりを語ったのは1655年で観念的なものだった。それよりも数千年前に現在の太平洋島嶼国(そして多分日本人)の祖先は本当にインド太平洋の2つの海を交えたのだ。
安倍総理は、というかスピーチライターの谷口氏やチーム安倍は私が英文記事に書いたバナナの話をきちんと調べて、安倍総理のスピーチに入れたのである。

今、太平洋島嶼国は青い大陸とか、青い太平洋とかいう表現で海洋を囲もうとする傾向がある。私が太平洋島嶼国をインド太平洋に繋げたいと思ったのはこの海洋の囲い込みの傾向に警告を発したかったからでもある。海は人類共通の財産で、太平洋島嶼国だけのものではない。

 

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飯田浩司のOK!Cozyup」安倍晋三内閣総理大臣 インタビュー総集編

このインタビューで、インド太平洋構想が公共財としての海洋、海洋の自由を意味していると私と全く同じことを安倍総理が言っています。思いは同じでした。 33:30当たり 

 

チーム安倍に伝えなかった事がある。あまりに政治的なので、警戒されることを私が警戒したからだ。歴史が政治に利用される例だが、このオーストロネシア語族の出発点が台湾なのである。これは学術的定説である。言語学、考古学などから導き出された理論である。これを台湾の蔡総統は「1つの中国」へのカウンター理論として政治利用している。拙著『インド太平洋開拓史ー2つの海の交わり』に少しだけ書いた。詳細はブログにたくさん書いている。
さらに蔡総統も知らない説がある。日本人にはオーストロネシア語族の繋がりがある。国分直一先生などは縄文人との関連を議論をしている。八丈島の黒曜石は長野まで運ばれている。オーストロネシア語族は数千キロの海洋を行ったり来たりしていたことは学術的に検証されている。少なくとも一部の縄文人は海洋技術に優れていた。

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