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バヌアツサイクロン被害支援<オンライン・バヌアツ講座>10

 いよいよ10回目となりました。今回で一度オンライン講座を〆たいと思います。

バヌアツと言ってもピンとこない人ばかりだと思います。途中インテリジェンス関係者から中国との時事問題をとのリクエストがあり。次にミッチェナーを紹介して一般の方の関心が得られるかも?と彼のバイオを確認したらなんと日本人の奥さんが。。

バヌアツを博士論文で書いてもミッチェナーの詳細は関係ないので今回のオンライン講座は私にとっても新たな発見でした。あのミュージカル「南太平洋」の真のテーマは人種差別。ミッチェナーはあの戦争の背景に深い人種差別がある事もわかっていたでしょう。そして日本にも人種差別があることを彼は知ります。

2015年小説家の百田さんが「くそ貧乏長屋。とるものも何もない」とナウル、バヌアツ、キリバスの名前をあげ、一瞬「バヌアツ」の名前が世間に広まりました。バヌアツは後発開発途上国と言って途上国の中でもさらに貧しく、確かに貧乏なのですが取るものは山程あり、まずはスペイン、フランス、英国とやってきて土地を奪い、今回は取り上げませんでしたが「ブラックバーディン」という誘拐、強制労働もありました。独立を巡って米国のリバタリアン主権国家の利益を得よう武器を持ち込み、死者まで出しました。独立して40年経ちましたが、今は中国人にパスポートを売って国家運営をしている有様です。

とるものはいくらでもあるのです。

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ガダルカナルの千キロ先が連合軍の補給基地バヌアツです。常に4万人が駐留。総計50万人が滞在しました。

百田さんの「永遠の0」を私も映画で見ました。先日の江崎道朗さんが出演した虎8で百田さんがガダルカナルの戦いは敵の情報を把握していなかったからだとおしゃっていましたが、その反省を日本人がしているのであれば、バヌアツのサント島の状況は戦後研究されるべきだったのではないでしょうか?なぜあの島を中国が押さえ、港を作ったのか?バヌアツ政府が軍事化を否定する中で、なぜ米豪政府はその疑惑を確信に変えたのか?

最後にバヌアツの共通語ビスラマについて簡単に触れておきます。3千年の歴史の中で130の言語にわかれその統一は殆ど行われてきませんでした。バヌアツの形を作ったのがクック船長であり、英仏の共同統治です。そして各島から強制的に集められた労働者(奴隷と言っていいのかもしれません)は共通語Lingua Francaを創造します。英語、フランス語、現地の言葉が混ざったような言語です。これをブロークン英語と言う人がいたら心から軽蔑してあげて下さい。立派な言語なのです。

例えばeveryone は yumi です。 you and me

 

ところで英仏の植民は悪い事ばかりだったのでしょうか?西洋の植民を否定し独自の伝統習慣を国是に独立したバヌアツが失ったものも大きかった。結局今度は中国に頼っています。

 

バヌアツの国歌を最後に

Yumi, Yumi, yumi i glat long talem se
Yumi, yumi, yumi i man blong Vanuatu

God i givim ples ia long yumi
Yumi glat tumas long hem
Yumi strong mo yumi fri long hem
Yumi brata evriwan

Yumi, Yumi, yumi i glat long talem se
Yumi, yumi, yumi i man blong Vanuatu

Plante fasin blong bifo i stap
Plante fasin blong tedei
Be yumi i olsem wan nomo
Hemia fasin blong yumi

Yumi, Yumi, yumi i glat long talem se
Yumi, yumi, yumi i man blong Vanuatu

Yumi save plante wok i stap
Long ol aelan blong yumi
God i helpem yumi evriwan
Hem i papa blong yumi

Yumi, Yumi, yumi i glat long talem se
Yumi, yumi, yumi i man blong Vanuatu

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