順に、バヌアツ、ワリスフツナ、ニューカレドニア、フィジー、ソロモン諸島のラピタ土器をモチーフにした切手
バヌアツ ー バヌア、ツ 我等の土地
この国名の意味を真剣に研究するだけで博士論文が書けそうな気がします。太平洋島嶼国の中で西洋植民者の名前を残した独立国家も多々あります。
ニューカレドニア(仏領)
フレンチポリネシア(仏領)
ワリス・フツナ(仏領)
<現地の言葉が国名になっている太平洋島嶼国>
バヌアツ
フィジー
トンガ
ツバル
ニウエ(NZとの自由連合)
トケラウ(NZ自治領)
ハワイ(米領)
米領サモア(米領)
バヌアツの独立の話も幾つか書きたいと思いますが、歴史・伝統文化とその復興を理解することがバヌアツの国体、ひいては国と地域の安全保障と地政学を理解する事につながります。
郵便学者内藤陽介先生に倣ってまたまた切手を集めてみました。ソロモン諸島、バヌアツ、ニューカレドニア、フィジー、ワリス・フツナそしてバヌアツの「ラピタ土器」を取り上げた切手です。日本の縄文土器にも似たこの文化を持った人々がパプアニューギニア(切手は見つかりませんでした。残念!)ビスマルク諸島辺りに約3千年前にやってきて、ソロモン諸島、バヌアツ、ニューカレドニア、フィジー、サモアとかなり短期間の間に拡散して行った事がわかっています。
バヌアツは国立文化センターを持ちこのラピタ文化を中心に歴史、伝統文化を研究し、記録し、また広める活動に力をいれています。太平洋島嶼国、夫々文化活動は盛んですが、バヌアツは切手の豪華さでもわかるように特別です。 なぜでしょう?
国立バヌアツ文化センターこそがバヌアツの独立の基礎、となったからです。(下記の写真)
国父ウォルター・リニはキリスト教の牧師で、ニュージーランドで学びます。ここで自分たちの文化、価値観を学びたいと教師に要請しますが断られます。そこで自分でニュースレターを作成。バヌアツ、メラネシアの文化を学び記して行ったのです。これがバヌアツ文化センターの出発点です。
リニ牧師がニュージーランドで共にに学び、西洋のではない自分達の歴史を学ぼうと心意気も共にしたソロモン諸島などからの学生とこの時連携・連帯も生まれます。
パプアニューギニア1975年、ソロモン諸島・ツバル1978年、キリバス1979年、そして1980年のバヌアツへと連なる太平洋島嶼国の独立の背景には自分達の歴史、文化への関心、西洋植民からの離脱精神があります。但し、その動きを支援した多くの西洋人(主に個人の立場ですが)がいる事も、後藤・新渡戸・矢内原は少なくとも理解していた「西洋植民」を未だに誤解している日本人は忘れてはいけません。
バヌアツの首都ポートヴィラにある国立バヌアツ文化センター