インド太平洋研究会 Indo-Pacific Studies

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<平間洋一先生追悼>『第一次世界大戦と日本海軍ー外交と軍事との連接』

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 インド太平洋研究会の顧問をお願いしていた平間洋一先生が先月亡くなられて、色々な思いが蘇って来ています。私の平間先生との出会いはそのご本でした。
 
 『第一次世界大戦日本海軍ー外交と軍事との連接』は平間先生の博士論文をまとめられたもの。私は2008年に一人で立上げたミクロネシア海上保安事業が2013年後半にいよいよ本格的なってきて、ミクロネシアと日本の関係をきちんと勉強しなければ思っていた頃。南洋統治のきっかけである第一次世界大戦からだ、と思ってこの本に何が書いてあるかもわからず、アマゾンで見つけ手にしたのです。
 読んだのは東京からキャンベラに向かう太平洋上の飛行機の中。2014年2月でした。ああ、2014年は日豪海洋協力百周年なんだと思いながらキャンベラの外務省を訪ねました。
 反日のラッド政権から親中のアボット政権に代わり、まるで別の国に来たような歓迎を受け
 「安倍総理の豪州訪問で何かアイデアはないですか?」
との質問に読んだばかりの平間先生の議論を紹介しました。
「2014年は日豪海洋協力百周年ですよ。日本が貴国を、太平洋を守ったのです。」
 
 その時10人ほど集まった豪州外務省幹部達は本当に椅子から転げ落ちそうなほどに驚いていました。結果同年7月の安倍総理豪州訪問は大成功。私は全く存じ上げなかった平間先生にどうにかこの事を報告したくてウェブで探したのです。
 それから平間先生との交流が開始しました。平間先生からは自分の業績を継いで欲しいとも言われていましたが同じ太平洋でも分野が全く違います。それに軍事史というのやはり苦手なのです。
 平間先生の追悼として出会いのきっかけとなった『第一次世界大戦日本海軍ー外交と軍事との連接』を再再読し日本が南洋に領土を拡大した歴史的背景を追ってみたいと思います。
 
 いっしょに読んで感想でも書いて下さる方がいれば大歓迎です。