インド太平洋研究会 Indo-Pacific Studies

現代版IPR インド太平洋研究会へようこそ

インド太平洋を巡る日欧協力の可能性ー極上のフランスワインに出会える幸せ

f:id:yashinominews:20180716094031p:plain f:id:yashinominews:20180716091719j:plain f:id:yashinominews:20180716094109p:plain

Phillip Shetler-Jones博士の"Britain's quasi-allaince with Japan" に続いて、Céline Pajon女史の”France and Japan: the Indo-Pacific as a springboard for a strategic partnership”を拝読した。

昨年2018年11月に出た、新しい報告書です。

Natural partners? Europe, Japan and security in the Indo-Pacific Luis Simón & Ulrich Speck (Eds.) - Real Instituto Elcano - November 2018

https://anglojapanalliance.files.wordpress.com/2018/11/ls-us-eds-natural-partners_-europe-japan-and-security-in-the-indo-pacific.pdf

Real Instituto Elcano - Madrid - España www.realinstitutoelcano.org

ips.hatenablog.jp

インド太平洋構想に関してはヨーロッパでフランスが先駆けて日本と協力の姿勢を示したことが2016年当りのシャングリラ会議の国防大臣のスピーチ辺りから整理されている。このシャングラは私もフォローしており、インド太平洋に領土を持つフランスの真剣さが伝わって来た。

yashinominews.hatenablog.com

yashinominews.hatenablog.com

yashinominews.hatenablog.com

yashinominews.hatenablog.com

yashinominews.hatenablog.com

Pajon女史のペーパーはフランスが主導したにも拘らず、日本は英国の軍事力の方を高く評価しているし、クアドは中国排除でフランスは賛成できない、と。

英国とフランスの軍事力、私の守備範囲外ですが、少なくともフランスはインド太平洋領土に広大な海洋権益が、即ち管理義務がある。それを日本や英国、米国がどのように支援できるか、と前向きに考えた方がよいのではないだろうか?特にニューカレドニア仏領ポリネシアは南極や中南米への足がかりとして中国が既に触手を延ばしているのだ。

クアドの方だが、これが「踏み絵」Loyalty test というのは間違った解釈である。安倍総理は国会での山本一太議員の質問に明確に「中国の法規則を守るであれば入っていただいてよい」と言っているし、多くのインド太平洋に関する学術的な即ちレベルの高いペーパーはインド太平洋構想が一帯一路を修正する、re-orderする可能性がある、との議論である。

ips.hatenablog.jp

戦いがないにも拘らず、あたかも日中間が敵対しているようなプロパガンダ(敢えてプロパガンダと言おう)は、100年前にIPRを中心としたコミンテルンの活動と重なる。クアドはどうやらインドが後ろ向きで英国のフリゲートモントローズが出て来た。

クアドは手段で目的ではない。

そしてインド太平洋にフランス、フランス軍は必須だ。なぜか?そこにフランス領があるからだ。加えて歴史の背景もある。オセアニアミクロネシアポリネシアメラネシア命名したのはフランス人の地理学者、Conrad Malte-Brunと海軍提督ジュール・デュモン・デュルヴィルだ。

yashinominews.hatenablog.com

 

最後にPajon女史に質問したい。フランスはこのインド太平洋をどうしたいと思っているのうだろう?タヒチの50%を超える青年失業率。中国の進出。ニューカレドニア北部の独立運動と背景にいる中国。

私は太平洋を30年渡り歩いて、極上のフランスワインに出会える幸せを知っている。フランスに留まって欲しいと思っているが、ではどのように?